戸田の歯科ならラビット歯科へ、戸田駅徒歩10分の痛くない無痛歯科治療を心がける歯医者です

歯ぐきからの出血は「シグナル」!歯周病と全身疾患の「恐ろしい関係」

 

歯ぐきからの出血は「シグナル」!
歯周病と全身疾患の「恐ろしい関係」

目次

  1. そもそも歯周病って何が起きているの?
  2. 口の中の事なのに、何で全身(全身疾患)に関係あるの?メカニズム教えて
  3. もし「歯が抜けたら、インプラントや入れ歯を入れれば入れればいいのでは」と言われたら?
  4. ラビット歯科戸田に来ている患者さんのエピソード
  5. 結局お金的にも、定期的なメンテナンス(歯周病治療)がおトク
  6. 歯科衛生士が解説!時短&快適にメンテナンスできる「エアフロー」とは?
  7. 先生教えて!歯周病にまつわることQ&A
  8. 取材後記

1. そもそも歯周病って何が起きているの?

歯周病のサインといわれる「歯ぐきからの出血」ですが「血が出ているけど、だから何?」という人が多いと感じます。実はうちの旦那もそうでして。(汗)

歯周病はある程度進まないと、自分で症状として認識が出来ない「感染症」です。
初期の歯周病だと、全く痛みもないし、出血も腫れも出てこないです。
自分で気づけるような症状が出た時には「中等度以上」になっています。

自分で気が付かないので「沈黙の病(サイレントディジーズ)」といわれています。
症状として皆さんが気づく「血が出る」ところまでこないと分からないんです。

血が出る時点で結構進んでいるんですね。(汗)ちなみに、歯周病だとどうして歯ぐきから血が出るのですか?

歯ぐきの中にバイキンが入り込んでいて「炎症」が起きている・・・バイキンと身体が戦っている=防御反応が「炎症」=出血・腫れる、なんです。
バイキンが必ず関与している病気です。

必ずヤツ(バイキン:歯周病菌)は、いるんですね?

必ずいます。
見えないところで悪さをして、毒素を出して、毒素によって骨が溶けるし、余計に溝が深くなって「清掃性」が悪い・・・ご自身では掃除が出来ないところが増えてくるんです。
悪循環でそこへさらにバイキンが溜まるし、汚れが歯石になります。

骨が溶けるので、支えが少なくなると歯の揺れが出てくる。

骨が溶ける???!

毒素が骨を溶かす、というか壊すんです。(破骨細胞)

歯ぐきも下がる?

歯ぐきが下がる場合と、下がらない場合があります。
下がらないと歯周ポケットがさらに深くなる。
歯磨きがある程度できていれば、骨と一緒に歯ぐきが下がってきます。
歯ぐきが下がることが悪いのではなくて、歯ぐきが下がらず深いポケットとなることが歯周病をさらに悪化させる環境となり、よくないのです。
最初に起こること=「骨が壊れること」が見えないうちに進むので、気付かない。

壊れている(溶けている)ところが見えないのは、おっかないですね。(汗)

2. 口の中の事なのに、何で全身(全身疾患)に関係あるの?
メカニズム教えて

さらに悪いことに。
最近の研究で、歯ぐきの毛細血管に入り込んだバイキンの毒素が全身に回っていくことが分かっています。
心臓の人工弁の所に「歯周病菌(バイキン)」が見つかっています。
菌も回るし、毒素も回る・・・毒素が炎症を起こすので、血が回っていった先の臓器で炎症が起きるんです。

歯周病菌が血液に入って、炎症を全身にバラまいているんですね。(怖)

そうですね。
あとは糖尿病との相関関係が分かっています。
糖尿病の人の口の中を清潔に保つと、糖尿病の症状が軽減する。
逆もそうで、糖尿病の治療が進むと、口の状態がよくなります。
あとは「身体の手術前に、お口をキレイにしておいてね」というのもあります。

ママ友が、ガンの手術の前に歯医者さんに行ってね、と病院からお手紙(下記参照)をもらってました。

手術を受けられる方へのお願い (引用)

口の中はキレイにしましょう

実は口の中は細菌だらけです。
手術前から口をキレイにし、手術後の肺炎の危険性を減らしましょう。
(全身麻酔のチューブの挿入で、お口の細菌が器官や肺に押し込まれます)
「歯垢(しこう)」は細菌の塊です。
うがいだけでは取れないので、しっかりとしたブラッシングをすることが大切です。
舌や入れ歯もきちんと掃除をして細菌を減らしましょう。
虫歯や歯周病がある方は、手術前に歯科受診をお勧めします。

最初見た時、大きい病院でもそういう風に言うんだと驚きました。

赤ちゃんの低体重出産も、歯周病菌の毒素が回ることで確率が上がってきます。
良いものも悪いものも、口は全ての入口なのです。
身体に起こっている現症・病気が「口の環境が原因でした」ということが、もっと分かってくると思います。

歯ぐきの出血が、ひいては全身に影響を与えている??

歯ぐきからの出血は歯周病のサインではあります。
健康なら歯ぐきから血は出ないので、出るということは歯ぐきに炎症があるサインで、歯周病菌や毒素が身体を巡ります。

歯ぐきが健康なら、出血しないんですね??

健康なら、フロスを多少強くしても出ないです。

そ、そうなんですね。(汗)軽度は?

溝の深さが3ミリ以下なら健康です。
4~6ミリは、軽度から中等度。
6ミリ以上は、重度です。

軽度から中等度が幅が狭いですね。(汗)

ポケットの深さ、出血、ぐらつき、その3つで総合的に判定します。
※ぐらつきは、噛み合わせが部分的に強く当たることで出る場合もあります。
自分で判断できる目安は、「出血」と「ぐらつき」です。
あと、歯石とか、歯ぐきの赤み(歯肉炎)とか。
早い段階での目安がないので、定期的に来てほしいというところです。

歯ぐきが赤っぽい人、腫れぼったい人、いますよね。

他人が見れば分かるんですけれど、みなさんご自分の口をそこまで見てない、です。
脳梗塞、心筋梗塞など命に関わる病気も、その毒素が絡まります。

3.「歯が抜けたら、インプラントや入れ歯を
入れればいいのでは」と言われたら?

もし「自分の歯じゃなくなったら、インプラントや入れ歯を入れればいいのでは?」と言われたら?

自分の歯と骨の間に、「歯根膜(しこんまく)」というものがあって、クッションの役割をしています。
そこが「噛んでいる」と感じる場所なんですね。
インプラントは骨と金属がダイレクトに結合しているため「噛んでいる」という感覚がないんです。
インプラントを入れた方の話によるとそこが違うということです。
「噛む機能」は回復しますが、「噛み心地」は回復しないんです。

そもそも、もしかしたらラビット歯科に定期的に来ている患者さんは、重度の歯周病は少ない?

確かに長く来てくださっている患者さんはそうですね。
初診の患者さんで中等度の方は改善の可能性はありますが、重度で溝の深さが6ミリ以上だと歯ぐきを切ることもあります。
「ポケットが深い」がとにかく良くないので、浅くするための「歯周外科」です。

外科??

歯ぐきを切って下げる。
切って、中の不良肉芽(ふりょうにくげ)、つまり不健康な歯ぐきを取って縫います。
縫うときに歯ぐきが下がるように切って、整えて、3ミリ以下になるようにします。
ここはあまりないですけど、歯周病専門医は結構バンバンやります。

4. ラビット歯科戸田に来ている
患者さんのエピソード

先ほど「中等度なら改善の余地」と話していましたが、実際ラビット歯科戸田ではどうなのでしょう?

中等度=歯周ポケットが4~6ミリの患者さんは、メンテナンスに来る(歯周病治療)⇒衛生士が歯石を取る⇒3ミリ以下に改善するということが多くあります。

おお、改善するんですね!通院間隔は?

1~3か月ですね。

ギリギリなところで食い止められることもある、ということですね?

はい。

そのような歯周病の知識は、自分で調べることはあまりしないので、歯医者さんで教えてもらう方がありがたいです。

新患の方は、2回目の来院時に、ここ(カウンセリングルーム)でスタッフが30分かけて「虫歯と歯周病の伝えたいこと」を話します。
また、衛生士が治療開始時と終了時に「来院することの重要性」を伝えています。
患者さんも「どうして歯周病が怖いのか?」を理解されると「じゃあ頑張ろうか」という気持ちになってくださっていると感じます。

※これまでの先生の患者さんへの働きかけ
「真の予防」
「先生のお手紙」

言われて渋々来るのと、自分で納得して来るのとでは、全然違いますよね。

伝えないと、治療が1回終わると定期的に来ることが少なくなりがちです。
中等度で来れば歯を残せる可能性があるので、ぜひ来てほしいと思います。

5. 結局お金的にも、
定期的なメンテナンス(歯周病治療)がおトク

これ、先生の手作り資料ですよね??

引っ張ってきたものを、つなぎ合わせているだけですけど。(笑)

中には「なんで歯が痛くもないのに歯医者に行かなきゃいけないの?」と思っている人もいると思います。(読んでみる)治療費合計で、430万円!?(泣)ならば、定期的に検診に来た方が安いし、歯も残る!同じお金を使うなら、ハワイに行きたいです。(笑)

(笑)検診はあくまでもポケットの数値を測って「歯周病ですよ」というところで終わりになっちゃいます。
検診だと「来なくていいや」になるけど、治療だと「行かなきゃまずいか」になる。
「歯周病ですよ」というのを伝えた上で、歯周病治療をする、継続をしないと知らぬ間に進んでしまいます。
ラビット歯科戸田では、歯周病治療で「エアフロー」を使っています。
従来の機会に比べると時間の短縮にもなるし、痛みを与えづらいです。
エアフローの説明は、衛生士がします!どうぞ!

6. 歯科衛生士が解説!
時短&快適にメンテナンスできる「エアフロー」とは?

「エアフロー」(上記画像)は「水」と「粉」が混ざって出て、歯面を清掃します。
最近は粉の粒子を選べるようになっています。

昔は粒子の大きな粉で着色(ステイン)を落とす目的でやっていましたが、最近はエアフローも「パウダーメンテナンス」といわれ超微粒子のパウダーで行います。

歯垢(しこう:プラーク)は「バイオフィルム」という膜で覆われるんです。
その膜が強固で、口をブクブクしてもプラークが落ちない=バイオフィルムで覆われてて中の菌を守っているんです。
「エアフロー」は、歯ブラシやスケーラーよりもバイオフィルムを強固に落とします。
歯面も傷つかないし、従来のものよりも歯がツルツルになります。

おススメの方1:インプラントのメンテナンスをしている方

「インプラント体(たい)」は、歯ぐきの中に入っている「金属」なので金属の器具でメンテナンスができない、でもブラシを使う清掃では届く範囲が限られています。
パウダーだと歯肉の下(縁下:えんか)までパウダーが行ってプラークを落とします。
勉強会でインプラントのメンテナンスを主にやっている衛生士さんが、パウダーのほうがプラークの落ちが良いと話していましたので私も使っています。

おススメの方2:矯正中の方

歯の隣接面や、ワイヤーが入っているところは清掃器具が入りづらいので、エアフローで落とした方がキレイになりやすいです。

おススメの方3:お口が乾燥気味な方

口腔内が乾燥している方は、プラークが固まってきてしまいます。
染め出しをした際、ブラシで落としてもバイオフィルムは落ちづらいですが「エアフロー」を使うと落ちていきます。
また、このエアフローで使うパウダーは「縁下(えんか:歯肉の中)」にも使えます。
本来、パウダーは使えません。
※粒子が大きく傷が付く⇒歯ぐきが腫れる(浮腫:ふしゅ)ので、縁下に入れないのが基本
このエアフローに使うパウダーは粒子が細かいので、縁下に入れてポケットの深いところもお掃除が出来ます。(現状で腫れている人は除く)

おススメの方4:ステイン(着色汚れ)

従来からの使い方で、ステインを落とすことももちろんできます。

パウダー、どんだけ細かいの?


風に舞っちゃうくらいですね。(汗)
(触ると良く分かります)
他の医院さんは自費の所が多いんですけれど、うちは保険です。
ごっくんしても大丈夫な素材です。

歯石取りは、進化した「超音波スケーラー」を使います

歯石を取るときは、超音波スケーラー(上記写真)/ハンドスケーラーを使います。
超音波スケーラーのチップの種類もだいぶ多くなってきて、患者さんに負担がないようにめちゃめちゃ細いのが出ています。
私は患者さんに負担をかけたくないので、めちゃめちゃ細いチップ(下記写真参照)を使っています。
※患者さんの口腔内の状況によります

器具は日進月歩で、いろいろな新しいものが出ます。
いい機械を入れると、お掃除が短時間で済みます。
余った時間は、ご自身でのブラッシングの練習に使えます!

エアフローの勉強会に行ってきました!

うまく落とすための角度、先端をどのくらいの距離まで近づけるか、パワーはどれくらいがいいか?などのノウハウがゲットできます。
また、他の医院さんでどんな風なメンテナンスをしているか?が分かります!
オンラインでも視聴が可能です。

衛生士より一言!

帰るときにめちゃめちゃ口腔内がスッキリした状態だと「また来ようかな」と思ってもらえると思います。
保険でこのエアフローをやっているところは、ほぼないと思います、お得です!!

7. 先生教えて!歯周病にまつわることQ&A

Q. 急に自分の歯が抜けることってあるんですか?

A. 歯周病で「抜けちゃいました」と来る方もいます・・・。

Q. 歯周病の人の口ってすごく匂う?

A. はい。
歯石や、歯石の周りについたプラーク(歯垢:しこう)や、菌が出す毒素、膿のにおいです。

Q. 何歳から歯周病になる?

A. 20歳前後が入口です。
成人(18歳)の80%が歯周病といわれています。

Q. あのチクチクやるやつは、なに?

A. 歯周ポケットの深さを測る機械で、プローブといいます。

Q. 歯ぐきの色は、歯周病かどうかの判断材料になりますか?

A. なります。歯周病だと赤く腫れぼったくなります。

参考1:定期健診に来ている人/来ていない人の差

参考2:歯が20本以上残っている人の割合

出典: ▶︎ 歯科口腔疾患の動向日本歯科医師会

最後に

・何かわからなったところや、ご質問はございませんか?
・お口の中で悩んでいることや、不安に思っていることはございませんか?

なんでもお気軽にご相談ください!
私達と一緒に健康で快適なお口の環境を作っていきましょう!!

8. 取材後記

2018年に初めて取材させていただいてから、5年以上にわたり先生のお話を継続して聞かせていただいてます。
当時のブログ

いつも患者さんのためを思い、どうしたら大事なことが伝わるのか、懸命に考え続けてくれています。
志がブレていないですし、患者さんにも先生の気持ちが根付いて浸透してきているように感じます。
これからも戸田の皆さんのお口の健康をよろしくお願いいたします!